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第六章:Ahn! Ahn!


 ドアを叩くとすぐに返事が返ってきた。
 可愛い声で「はぁい、どうぞぉ」と返事が聞こえた。確かに倉見さんの部屋だ。これからするであろうことを想像したらドキドキしてきた。
 扉を開けるとフリフリのついたパジャマ姿の倉見さんが目に入った。
 うお、可愛い。倉見さんマジ天使。
「おこしやす。うちんトコに最初に来てくれたん?」とまるでお日様のように優しく微笑んだ。
「はい!」と元気に返事をしたかったのだがあまりの可愛さに緊張してどもってしまった。
「く、倉見さん。こ、こ、こんばんは」

「“倉見さん”なんて他人行儀に呼ばんといて? 敬語やなくてええし。それにこれからうちとエッチなことするんやろ? 紫亜でええよ」
 彼女のそんな言葉を聞いた瞬間、彼女のあられもない姿が容易に想像できた。

「あ、はい。し、紫亜……さん」
「紫亜でええのに。緊張してるんかいな?」

 あれ紫亜さん、京都弁だと思ってたけど違うのかな?
「紫亜……さんは、京都人なの? その喋り方って――」

 そう言うと申し訳なさそうな顔をした。
「うち、京都生まれの大阪育ちやから方言混ざっとるんよ。方言いややった?」

 ごめんなぁ。と言いながら屈んだ姿勢のまま前に出てズボンのファスナーに手を掛けた。あれちょ、いきなりそんな。服の隙間から見える白いブラがなんともエロイ。
「あ、俺、シャワー浴びてな――」
 と口にした瞬間、気づいてしまった。家で16回もの自家発電をした後、すぐにミラさんが迎えに来てくれたのでシャワーを浴びていないのだ。つまり俺の股間のスメルは今、カオス。

 栗のお花畑状態なのだ。

 だがそんなことを知るよしもない彼女は「ええよ、うちがおクチで綺麗にするさかい」と俺の不浄門を開け、慣れた手つきで腐臭を放つ愚息を取り出した。乾いた精液がこびりついた肉棒が外気に晒される。

「っ――!」
 彼女は垂れた肉棒を弧を描くように下側から優しく包み込み握った。
「ぁあっ」
 彼女のしなやかな指が肉棒に触れて、声にならない声を洩らした。と同時に俺の意に反して肉棒がびくっと反射的に震えた。
「ご、ごめんなさい。臭くて」
 臭いなんてもんじゃない俺の肉棒に触れる彼女に謝る事しかできなかった。申し訳なさそうにする俺に彼女は気にする様子もなく、愛情を込めるようにやわらかに肉棒を擦ってきた。
「気にせんでええよ。うち臭いフェチやから。それより君、はじめてなん?」
「あ、はい、童貞です……。紫亜さんは?」
 こんなに手馴れた手つきなのだから処女のはずないだろうと思ったが、もしかしたら、そんな気持ちで聞いてみた。
 すると次第に固くなりだした俺の肉棒を上目遣いに片手でしごきながら言う。
「うち? どう思う?」
 う。気持ちいい……
「はじめて……ではないと思います。その……すごく気持ちいいし」
「おおきに。君よりはちょっとは経験あるかな。残念やった?」
 分かってはいたけど何故だが少し残念だった。初めての女に憧れるというのは果たして童貞心なのか男心なのか。

 でも気持ちいいからいいや。
「いえ。紫亜さんとえっちな事できるだけでも幸せですから」
 誰か別の人に触れられるのが、こんなに気持ちいいことだなんて思わなかった。自分でするのとは大違いだ。自慰禁止大歓迎だな。他人にやってもらったほうが断然気持ちいいじゃないか。

「ん。大きくなってきよった。それにしても君のおちんちんおっきーなぁ」
 大きいと言われて悪い気はしない。何一つ自慢できるものがない俺だったが、そうか俺のペニスはデカいのか。これからは自慢できるな。
「ちゅ、くちゅ、ぺろ」
「んくっ……ぺろ、ちゅぱっ……ふむっ……」
 彼女は淫靡な表情で肉棒の側面に優しくキスをして唾液まみれの舌で裏スジから亀頭にかけてねっとりと舐めてきた。絶妙な舌遣いと唾液のヌルヌル感でだんだんと変な気分になってきた。
 妄想だけでオナニーが出来る俺だが今は目の前に女性がいる。紫亜さんの裸が見たい。エッチな事がしたいという欲望が出てきた。
「紫亜さん、僕も紫亜さんの……その、触りたいです」
なんて言われるだろうかドキドキしていると
「はよ言ってーな。おなごのうちから“触って?”なんて恥ずかしくて言えへんやろ? ずっと言われんの待っとったんやで」
「うちも興奮してもーて、もうここびしょびしょや」

 その言葉を聞いて何かが吹っ切れた。紫亜さんは俺にエッチなことをされるの待っていたんだ。何を不安がっていたんだよ、俺は。びびるな、行け!
 俺は彼女の右肩を掴み勢いよく押し倒した。
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