第五章:天使のように
それでは質問もなさそうなので――
と鞄から分厚いファイルを取り出し、今からここの生活システムを彼に話すので皆さんは部屋に戻って待機してください。と女性陣にミラさんがいうとぞろぞろと女性たちは各々の部屋へと入っていった。
それを確認した後、あの中に気になった女性はいたかと聞いてきた。
少し間をおいて
「そうですね。やっぱり一番優しそうだった倉見さんが気に入りました」
そう答えると頷き、わかったわ。と言うとここでの生活システムを説明してくれた。
◇
この同居プログラムは少子高齢化が進み、人類の絶滅を防ぐ為に作られたものであり
精子バンクのような採取から保存、希望する人の面談をし提供するといった
煩瑣な過程を取り除いた画期的なプログラムで直接、性行為をすることにより
スムーズに受胎を行なわせるものである。
このプログラムは政府側が用意した女性(百人余り)を全て妊娠させることで終了となるが、
その他、病による体調不良や気分転換の旅行などの場合に限り一時中断することができる。
性行為に至るまでの手順は気に入った女性の各々の部屋に行き、
一言会話を交わしてから入室することから始まる。
扉には名前の書かれたプレートが貼ってあり間違えて入室することはない。
各部屋には風呂やトイレなど完備されており乱交(グループセックス)の場合を除き
部屋から出る必要はないので二人だけの空間で存分に性行為を行なうことが出来る。
また、全ての女性は物事を強要された場合でも拒否することができる。
ただし同居プログラム入居時の各誓約書により何をされても起訴することはできない為、
男性は無理矢理行為に及ぶことができる。
SMによる首絞めなどの特殊な性癖もこれに該当する。
無論、屍姦(しかん)のような異常な性的嗜好はプログラムの意に反する為適用されない。
◇
「つまりレイプも合法よ」と付け加えた。
そんなことしませんよ、というと分かってるわよと笑って返された。
俺がそんな外道な事はしないと信じてくれているのか、あるいはそんなことを出来る男じゃないと思っているのか……。いずれにしてもレイプは趣味じゃない。イタズラ程度なら好きだけど。
それじゃバイキングローテーションシステムの説明をするからこれに目を通しながら話を聞いてとファイルを手渡された。
ファイルを開くと先ほどの女性たちの写真と詳しいプロフィールや希望することで交換することのできる女性たちのプロフィールまでもが載っていた。プロフィールというより住所から経歴、参加理由や血縁関係などの詳細な個人情報が所狭しと並んでいた。
「前も少し説明したけれどバイキングローテーションというのは、今いる女性が気に入らなかった場合や自分の好みの女性とセックスしたい場合などに既存の女性と交換できる貴方が飽きることなくセックスを続けられるシステムで――」
毎週日曜日の朝に家を訪問する職員に交換できる女性を申し出ることができ、俺が申し立てをするとすぐさまその女性は強制退居になるようだ。もちろん誰も交換せずにいることもできる。申告する時は職員と二人きりなので女性の態度を気にする必要はないらしい。
それを聞いて安心した。女性に責められるのは慣れていない。あ、いや性的になら責められてみたいかも。ふひっ。
さらに同じく毎週日曜日に女性は一箇所に集められ検査するらしい。懐妊していたら他の女性と交換になりそのとき交換する女性は俺が決められる。など様々な説明を一気にされた。
ふむ……と俺は顎に手を当て頷きながら「なるほど」と説明をしてくれたミラさんに返した。
だがしかし実際は全くわからなかった。そんな難しいことを一度に言われても理解できん。とにかくセックスしたいと思った人のとこに行けばいいんだな。うん。俺は自己完結した。
頷いた俺にミラさんは安心したのか「それじゃ私は今日は帰るから初夜を頑張りなさい」とうっすらと笑みを浮かべた。ミラさんを外まで送り俺は女の子たちの部屋がある二階へと足を運んだ。
そして高鳴る胸を押さえつけ倉見さんの部屋のドアをコンコンと叩いた。
と鞄から分厚いファイルを取り出し、今からここの生活システムを彼に話すので皆さんは部屋に戻って待機してください。と女性陣にミラさんがいうとぞろぞろと女性たちは各々の部屋へと入っていった。
それを確認した後、あの中に気になった女性はいたかと聞いてきた。
少し間をおいて
「そうですね。やっぱり一番優しそうだった倉見さんが気に入りました」
そう答えると頷き、わかったわ。と言うとここでの生活システムを説明してくれた。
◇
この同居プログラムは少子高齢化が進み、人類の絶滅を防ぐ為に作られたものであり
精子バンクのような採取から保存、希望する人の面談をし提供するといった
煩瑣な過程を取り除いた画期的なプログラムで直接、性行為をすることにより
スムーズに受胎を行なわせるものである。
このプログラムは政府側が用意した女性(百人余り)を全て妊娠させることで終了となるが、
その他、病による体調不良や気分転換の旅行などの場合に限り一時中断することができる。
性行為に至るまでの手順は気に入った女性の各々の部屋に行き、
一言会話を交わしてから入室することから始まる。
扉には名前の書かれたプレートが貼ってあり間違えて入室することはない。
各部屋には風呂やトイレなど完備されており乱交(グループセックス)の場合を除き
部屋から出る必要はないので二人だけの空間で存分に性行為を行なうことが出来る。
また、全ての女性は物事を強要された場合でも拒否することができる。
ただし同居プログラム入居時の各誓約書により何をされても起訴することはできない為、
男性は無理矢理行為に及ぶことができる。
SMによる首絞めなどの特殊な性癖もこれに該当する。
無論、屍姦(しかん)のような異常な性的嗜好はプログラムの意に反する為適用されない。
◇
「つまりレイプも合法よ」と付け加えた。
そんなことしませんよ、というと分かってるわよと笑って返された。
俺がそんな外道な事はしないと信じてくれているのか、あるいはそんなことを出来る男じゃないと思っているのか……。いずれにしてもレイプは趣味じゃない。イタズラ程度なら好きだけど。
それじゃバイキングローテーションシステムの説明をするからこれに目を通しながら話を聞いてとファイルを手渡された。
ファイルを開くと先ほどの女性たちの写真と詳しいプロフィールや希望することで交換することのできる女性たちのプロフィールまでもが載っていた。プロフィールというより住所から経歴、参加理由や血縁関係などの詳細な個人情報が所狭しと並んでいた。
「前も少し説明したけれどバイキングローテーションというのは、今いる女性が気に入らなかった場合や自分の好みの女性とセックスしたい場合などに既存の女性と交換できる貴方が飽きることなくセックスを続けられるシステムで――」
毎週日曜日の朝に家を訪問する職員に交換できる女性を申し出ることができ、俺が申し立てをするとすぐさまその女性は強制退居になるようだ。もちろん誰も交換せずにいることもできる。申告する時は職員と二人きりなので女性の態度を気にする必要はないらしい。
それを聞いて安心した。女性に責められるのは慣れていない。あ、いや性的になら責められてみたいかも。ふひっ。
さらに同じく毎週日曜日に女性は一箇所に集められ検査するらしい。懐妊していたら他の女性と交換になりそのとき交換する女性は俺が決められる。など様々な説明を一気にされた。
ふむ……と俺は顎に手を当て頷きながら「なるほど」と説明をしてくれたミラさんに返した。
だがしかし実際は全くわからなかった。そんな難しいことを一度に言われても理解できん。とにかくセックスしたいと思った人のとこに行けばいいんだな。うん。俺は自己完結した。
頷いた俺にミラさんは安心したのか「それじゃ私は今日は帰るから初夜を頑張りなさい」とうっすらと笑みを浮かべた。ミラさんを外まで送り俺は女の子たちの部屋がある二階へと足を運んだ。
そして高鳴る胸を押さえつけ倉見さんの部屋のドアをコンコンと叩いた。