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第十三章:ザ・フラグ


 早紀さんと交わり数分後、やはりすぐに限界が来た。
 いつもに比べての圧倒的快楽、そして美女3人に犯されているという特異な状況が俺の興奮を高めたのだ。これ以上の我慢なんて……出来るはずがなかった。
「っく――――ぅっ!」
 腰がふわりと宙に浮かんだかと思うと、多量のザーメンが先端から勢いよく飛び出し、早紀さんの中に放出を始めた。
「あぁぁんっ! し、子宮にぃっ! せ、精液がぁああぁっ!」
 エロゲでしか聞けないようなセリフを叫ぶと膣肉をキュウッと締めつけ二度三度と痙攣させた。目の前のマンコのせいで顔は見れないが、どうやら俺と同時にイったようだった。
「こ、このまま……2回目もいいですか?」
 ハァハァという吐息と共に、途切れ途切れに聞こえる早紀さんの声。もちろんいいに決まっている。俺のイチモツは、まだまだギンギンだ。
「しょうがないなぁ、次はあたしに譲ってくださいねっ」
 俺に向けられたはずの質問になぜか葵が答える。
「それでは、いきますね」
 葵の答えを聞いた早紀さんは頷くと再び緩急をつけ、腰を振り始めた。
 俺の意思はどうやら関係ないらしい。

 パンパンッ! と決して広くはない研究所内で、いやらしい音が響き渡る。
 男の顔面に腰を下ろす女性と、男の上で淫らに動く女性、それに男の乳首を一生懸命に弄っている女性。その近くには白衣を着た男が真顔で立っている。
 もし今、部屋に人が入ってきたら何も言わずに出て行くか、声を上げるかのどちらかだろう。
 それぐらい異様な光景が俺を中心に繰り広げられていた。
「ぅくぅううう! イくぅうう!」
 またすぐに限界が近づき、俺は腰を浮かせて射精した。
 男は一度射精をするとガクッと性欲が落ちて冷静になり、逆に女は快楽が続くとよく耳にする。
 まさに今の俺は女になったかのような、幾度となくイき、イった後も気持ちが良く、快楽の渦中にいるかのようなそんな感覚にとらわれていた。

 ――ドピュッ! ドピュドピュッ!
 もう何回目の射精だろうか、早紀さんから葵に交代してから何度も射精を繰り返している気がする。
 始める前までの羞恥心は既に俺には無く、自分も気持ちよくなるように腰を振り、彼女たちの中へぶちまけていた。
 ときに雪菜は何処へ行ったのだろうか。姿が見当たらない、というより目の前が真っ暗で見えない。
 そろそろ綾さん退いてくれないかなというか、いい加減早くイってくれないだろうか。
 俺が何回も射精する間中ずっと舐め続けているのにも関わらず、彼女は全くとイく気配がなかった。
 俺のテクのなさのせいかと危惧したが、どうやら彼女は男でいう遅漏状態らしかった。
「ずずっ、ちゅぱ、ちゅ、じゅるっ、ちゅっ」
 しかしずっと舐め続けていた努力の甲斐もあり、ついに彼女に変化が訪れた。
 腹の底から搾り出したような低い声を上げると、俺の顔面に大量の潮が噴射された。
 ――びしゃぁぁぁあああっ!
 オシッコのような、でも違うもののような酸味を帯びた液体が飛び散る。
 脚をガクガクとさせると、体勢を保っていられなくなったのか音を立てて後ろに倒れた。
「あ、綾ちゃん?!」
 慌てて振り返ると彼女は腰をヒクつかせ涎を垂らしながら、まるで眠るように失神していた。
 結合部からはブクブクと泡立った愛液が溢れている。
「失神……? 自業自得だし、とりあえず放置でいいか」

「ご、ご主人さま……」
 1度もセックスをせずに倒れてしまった倉見妹を見て溜息をついていると、いつの間に着替えたのか、何故か体操服とブルマを身につけた雪菜が顔を真っ赤にして俯いていた。
「せ、雪菜? どうしたんだ、その格好」
 今まで白衣をピッチリと着こなしていた彼女は、良い意味で変わり果てていた。
「こ、こうした方がご主人様が喜ぶと、薫が言っていたのだわ」
 震える手でシャツを捲り上げると、たわわに実る大きな2つの果実を曝した。
 まだ誰にも触れられていないであろう乳房、そして尖った乳首は綺麗な桃色をしている。
「あ、あたいのも……その……触って欲しいのだわ」
 恥ずかしさからか、緊張からか、それとも俺たちの行為に感化されたのか分からないが、彼女は脚を内股にして子犬のように震えていた。
「よし。雪菜、こっち来いよ」
 自分よりも年上だが小柄な彼女を抱きかかえ、自分の膝へと下ろす。
 処女だという彼女のその柔らかく繊細な唇に、まるで音楽を奏でるかのようにチュッと音を出しながら唇や頬、首筋にキスをした。
「ん、んむぅっ」
 目をとろんとさせ、力がいい感じに抜けてきたところで下から胸を掬い上げるように掴み、人差し指と親指で優しく乳首をこねくり回す。
 今まで感じたことのないであろう感触に戸惑い顔を見せつつも、彼女なりに感じているようだった。
「な、なんか濡れてきたのだわ……もしかしたらお漏らししちゃったのかもしれないのだわ」
 恥ずかしそうにする彼女を大丈夫だと嗜め、その濡れている股間部分を右の親指で軽く愛撫した後、顔を近づけた。
「ご、ご主人さまぁっ!?」
 驚いた顔でこちらを見つめる彼女を見上げながら舌をべろっと出し、ブルマへと舌を這わせる。
「そ、そそ、そこはおしっこするとこなのだわ! 汚いのだわ!」
 喚く彼女を無視してブルマの上から吸ったり舐めたりを繰り返してびちょびちょに濡らすと顔を火照らせ、もじもじし始めた。
「雪菜、そろそろ指入れるぞ」
 熱に浮かされたようにうわ言を言う彼女のぴっちりとお尻に食い込んだブルマとパンツを一緒に横にずらし、脇から指を入れた。縦に2本とはいえ、膣内は充分に余裕があった。
 彼女の顔も痛みがあるといった表情ではなく、先ほど以上の快感を感じているようだった。
 忘れかけていたが、彼女は政府の直属軍隊から派遣されたSPだ。俺が想像も出来ない運動をしているだろうし、処女膜が破れていても何らおかしくはない。
 しばらく出し入れを繰り返した後、指を抜き、横にずらしたままペニスをゆっくりと処女膣へと押し付け挿れた。

 ――パンッ! パ、パンッ! パンッパンッ!
「っくぅっ、んぐぅぅっ!」
 みるみると体温が上昇していき、俺は薄っすらとしか物事を考えられなくなっていた。
 獣のように片っ端からぶち込んで中で出しては抜いて、また別の子にぶち込むの繰り返し。
 そんな俺の姿を見ても、未だ冷静を保ったままの秋穂さんがボソッと何か呟いた。
「覚醒からの暴走か、興味深い」
 俺とメモ帳を交互に見ながら、ブツブツと独り言を言い、一生懸命にメモを書いている。
「イ、イグ……イグゥゥぅぅううっ!」
 ――ビュリュッ! ビュリュ! ビュッビュッビュッ!
「ほほう。13度目の射精だと言うのに、まったく射精力が落ちないとは……これはすごい。見習いたいところだよ。まぁ見習おうにも、もう僕には性器はないんだけどね」
 感心そうに言ったかと思うと、自傷気味に笑い、またノートにサラサラと何かを書き始めた。
 ちょうど20回目の射精を終えた時、俺は意識が朦朧としていたが、それまで時計を見つめ動かなかった秋穂さんが動いたのが目に入った。
「よしっ、そこまで!」
 左手を前へ突き出し、大きな声をあげたかと思うと、それまで混濁していた意識が嘘みたいにハッキリとした。さながら熱いサウナから解放され、クーラーの効いた涼しい部屋へと連れてこられたかのようなスッキリ感。
「ちょうどいい時間だ。実験は無事成功、後は結果を祈るのみだ」
 体液まみれの俺に「お疲れ様」とタオルと着替えを手渡してきた秋穂さんは豪く上機嫌だった。
 落ち着きを取り戻した俺はタオルで汗と色んな汁を拭き取りながら周りを見渡す。
 始めにこの場に居た白衣を着た研究員の人たちは、いつの間にやら居なくなっていた。
 仕事に戻ったのか、あるいは俺たちの性交を目の当たりにして居た堪れなくなり退室したのか。
 時計を見ると中々いい時間になっていた。そろそろ帰らないとまずいな。
「これからどうする? 帰るかい? それとも一緒にご飯でも行くかい?」
 研究所内の時計を見ながら物思いに耽る俺に秋穂さんが言葉を投げかける。
 ミラさんがいるのなら誘い大歓迎だが、さすがに秋穂さんと2人で食事は勘弁だ。
 それに――
「もうすぐ電車の時間なので失礼しようと思います」
 帰りの時刻表をメモっておいた紙を取り出しながら秋穂さんに頭を下げる。
 今から出て駅に向かえばちょうど来た電車に乗れるだろう。
 万が一、乗り遅れて2時間待ちになってしまったら帰宅が夜になってしまう。
「電車? わかった。今日は本当にありがとう。結果が出たらまた連絡するよ」
「ええ、それじゃ失礼します」
 もう1度、秋穂さんに頭を下げて、着替えた雪菜と共に研究室を後にした。

 廊下を歩きながら雪菜を見ると、何故だか内股で歩いていた。
「どうしたんだ雪菜、その歩き方なんか変だぞ」
 俺のデリカシーのない発言に怒ったのか頬を赤く染め、ぷくぅと膨らませた。
「ご主人様が無理矢理に挿れたから痛いのだわ!」
「そ、それは本当に悪かったよ。あの薬のせいだと思うんだけど、途中からあまり記憶がなくてさ」
 塗るだけで自我が保てなくなるなんて秋穂さん、凄いモノを作ったな。実はとんでもない科学者なんじゃないか? 実験中なんて無表情で怖かったし、漫画やゲームでいうマッドサイエンティストだったら笑えないが。
 腰を擦りながら内股で歩く雪菜を気遣いながらそんなことを考える。
「それなのに帰りも電車でとは、ご主人様は余程、陸路好きなのだな」
「陸路って……。俺、免許持ってないから車運転できないしさ」
「車も同じだわ。時間掛かって仕方がないのだわ。そんなにゆっくり帰るのが好きなのかご主人は」
 おかしなことを言う奴だ。車もダメ、電車もダメって一体何で帰るつもりなんだ。
「じゃ何で帰れって言うんだ。電車だって徒歩よりはマシだろ?」
 徒歩は無理だろ、常識的に考えて。足が棒を通り越して、もやしになってしまう。
「さっきから何か食い違っているぞ。なぜヘリは使わないのだ? 酔うのか?」
 日常では滅多に出てこないそのフレーズに俺は一瞬固まった。
「え? ヘリ?」
「うぬ。自家用ヘリだ。ご主人が家を出る時も遠くで見ていたがヘリを使わなかったな」
「え、なに。えっ? ヘリコプター?」
「そうだとさっきから言っているのだわ。家の真裏に置いてあるはずだけど、まさか知らなかったのだわ?」
「うん……いやでも、ほら……俺ヘリなんて操縦できないしさ」
「自動操縦機能が付いてるに決まっているのだわ。ちなみにご主人様の部屋の庭にも小型のヘリまでなら着陸できるようになっているはずなのだわ」
 なるほど、あの無駄に広い庭はそういう用途に使うものだったのか。
「すまん。全く知らなかった」
「きっと、薫の説明不足なのだわ。あとで薫に伝えておくのだわ」
「うん、そうしてくれると助かる」
 自家用のヘリコプターか……改めて凄い家に住んでいるのだと再認識した。
 多少混乱しつつも、顔に出さないように話を続ける。
「あのさ、もしかしてヘリの存在知らなかったのって俺だけなのかな? 家の皆は知ってるのか?」
「もちろん知っているはずなのだわ。西院丹睦月という学生、あの子はヘリで通学しているのだわ」
「そ、そうなんだ。知らなかった」

 研究所の屋上にも、家のと同じ小型ヘリがあるということなので雪菜に案内してもらうことにした。
 屋上へと向かうと、地面には石灰で線引きされた円の中に“H”と書かれた文字がちらほら。これまた広いヘリポートだ。その中に止まっていた灰色をした機体を指差し、雪菜が言う。
「小型ヘリはこれなのだわ。何かあったときの為に一応、あたいが操縦席に乗るのだわ」
「うん、助かるよ」
 乗り込むとアナウンスが流れ、上部のミニモニタにベルトの仕方と注意点などが映し出された。
 それに倣い、ベルトをすると自動的に安全装置などが施され、ヘリは離陸した。
「これは……すごいな」
 自分たちが暮らす町々は、空の上から見るといつもとは違う面白さと趣きがあった。
 人や人が作り上げた建物があんなに小さく、豆粒のようにちっぽけだなんて。
「――宇宙から見たら地球も小さいんだろうけど」
「ん? ご主人様、何か言ったか?」
「いや、なんでもない」
 いつか宇宙にも――なんてそんな事を考えながら何事もなく無事に俺たちは家へと帰り着いた。

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