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第十三章:ザ・フラグ


「それでは検査も終わったようだし、女の子たちを紹介しよう」
 そう言って秋穂さんが後方に片腕を向けると、それまで外気を遮っていた白い布生地がシャッと軽快な音を立たせ、勢いよく開いた。
『よろしくお願いします』
 どこか由紀さんに雰囲気が似た大人の女性、活発そうなショートカットの女の子、眼鏡を掛けた大人しそうな子が、病院で貸し出されるような病衣に身を包み、こちらへ向かって頭を下げた。
「あっ、よ、よろしくね」
 彼女たちが頭を下げると、偶然にもシャツの隙間から白い肌と胸の谷間が見え隠れした。
 どうやら全員がノーブラのようだ。
 そんな彼女たちに少しの間、見惚れていると、からかうように秋穂さんが笑った。
「またまた、そんなエロい視線で見ちゃって。君ってホント、好きだよねぇ」
 俺の盛り上がった股間部を横目でチラりと見た後に一呼吸置くと、彼女たちの紹介を始めた。
「彼女たちは近くにある、大学の遺伝子工学部の生徒さんたちでね」
「大学生、ですか?」
「そう、大学生。だけどDBLの研究生でもあるんだ。彼女らにはよくボクの研究を手伝ってもらっていてね、今回も協力してもらうことにしたって訳さ」
「訳さ、ってこんな実験に大学生が……よく大学側も許可しましたね」
「大学側には多額の寄付をしてるからね――それでは順番に彼女たちの紹介をしていこうか。まずは……」
 一番左にいた大人っぽい女性の肩に馴れ馴れしそうに手を置いた。
「彼女の名前は早紀ちゃん。容姿だけじゃなく、可愛い名前だろ? 早紀ちゃんには彼女が大学1年生の時から手伝ってもらっていてね、彼女はそれはそれは研究熱心で――」
 秋穂さんの褒め殺しが照れくさかったのか、彼女は顔を少し赤らめると、はにかんだ。
「こんにちは、早紀といいます。お会い出来るのを楽しみにしてました」
 名前まで由紀さんに似ている彼女が口元に白い歯をこぼす。
(ん? 俺に会うのを楽しみにしてたって?)
「それってどういう……」
 彼女の言葉の意味を確かめようと聞き返すが、秋穂さんの言葉に遮られた。

「ところで彼女の声、どこかで聞いたことないかい? まぁ、君が携帯を触っていればの話だけど」
(携帯? GUMP? 声……)
「覚えはあるけど思い出せない、そんな顔をしているね。彼女は、君が持っているGUMPの音声ガイダンスをしている子だよ」
「音声ガイダンス……?」
 家を出る前の事を思い出してみる。音声検索時に流れた機械的な声ではない、人間の女性の声――
「あ! あの美人の声の!」
「そう。GUMPに使われる音声ガイダンスの女性は、そのGUMPの所有者ごとに声を当てる人が違うんだ。例えば首相のGUMPでは年配の女性、うちの局の局長はアニメが大好きだからアニメ声の女性の声。で、君は大人っぽい、艶やかな女性が好きだろ? ミラみたいな。だから早紀ちゃんに担当してもらったのさ」
「じゃ、さっき会うのが楽しみだったって言ったのは……」
 視線を秋穂さんから彼女へ移すと、顔をあげて恥ずかしそうに笑った。
「私が声を担当した携帯を、使ってくださっている方にお会いするのを楽しみにしていたので」
「そ、それはどうも……」
 頭をペコペコと下げて口端からフヒヒッと声を漏らすと、俺と彼女の間に秋穂さんが割り込んできた。
「はいはい。そんな照れない、照れない。今からセックスするのにそんなんでどうするの」
「え? べ、別に照れてなんか――」
 言い返そうとして変な言い回しになってしまった俺に秋穂さんが、すかさずツッコミを入れる。
「オエェッ……男のツンデレは気持ち悪いからやめてよ」
「なっ……! そんなんじゃ!」
「はいはい。それじゃ次は隣の葵ちゃん、おまたせ」
 俺の言葉をまたも遮ると、華奢な体だが、どこか活発な感じのする彼女の肩を叩いた。
 葵と呼ばれた彼女は一歩前に出ると、満面の笑みで右手を挙げ、元気な声を出した。
「こんちわーっす! 葵でっす! 今日は、よろしくお願いしまっす!」
 見た目通り、陽気な彼女に笑顔で挨拶を返し、握手をすると隣の秋穂さんがニヤニヤして俺に近づいてきた。
「彼女の体、なかなかいいだろう? 葵ちゃんは大学で陸上部に所属していてね、脚とかホラ、むっちむちだろ?」
「やだなぁ。秋穂さん、それセクハラですよー」
「ははは、ごめんごめん。でも実際むっちむちだよね」
 2人の会話に耳を傾けながら彼女の脚を見てみる。なるほど、確かにむっちむちだ。
 それに秋穂さんの返しも笑って済ませて、なんだかすごく感じのいい子だな。

「――さて。そして、最後にこの眼鏡を掛けた子が、綾ちゃんだ」
「綾です、今日はよろしくお願い致します」
 礼儀正しく、深々と頭を下げた彼女は、えらく真面目な顔をしていた。
「こちらこそ、よろしくね」
 緊張しているのだろうか、この子は処女かな?
 などと俺が勝手な妄想していると秋穂さんが釘を刺してきた。
「ちなみに研究生3人とも、処女じゃないからそこらへんは安心していいよ」
 確かに妊娠目的の研究に処女を連れてくる訳ないか。
 しかし、あんな子まで処女じゃないなんて最近の学生は、実にけしからん。
 3人の体をつま先から頭のてっぺんまで舐めまわすように見ていると、あぁでも、と秋穂さんが付け足した。
「雪菜は、この歳で処くぁwせdrftgyふじこlp」
 何かを途中まで言いかけた秋穂さんが突然、声にならない声をあげた。足元を見ると雪菜が秋穂さんの足をおもいっきり踏んでいた。それはもう、靴の形が変形するほどに。
「こ・の・歳・で? 薫、次に余計なこと言ったらもっとひどいのだわ」
「す、すみませんでした」

「い、いやぁ……酷い目に遭ったよ」
「自業自得だと思いますけどね」
 足を引きずりながら、こちらへ向かってきた秋穂さんに呆れた顔で返す。
「ま、まぁそういう訳だから、雪菜には別に挿入しなくてもいいからね。胸だけは大きいから揉んで気分高めるだけでもいいし」
「とりあえずこれ、渡しておくから自分で塗っておいて」
 雪菜に聞こえないよう小声で話す秋穂さんから、プラスチックの小瓶を受け取った。
「はい、わかりました」
 本当に効くのだろうかと疑ってしまう程、どこにでもあるような普通の容器。
 とりあえず下半身裸になってみる。しかし、塗り方がわからない。
「あの、秋穂さん。これ、どうやって塗ればいいんでしょうか」
「普通にハンドクリームを手に塗るみたいに手のひらに広げて……あぁでも亀頭にはあまり塗らないように」
「ハンドクリームみたいに?」
 手に液体を出してみるとミントのような清涼感漂う香りがした。
「そうそう、まんべんなく側面をマッサージするように塗って」
「まんべんなく……」
 ジェスチャーをする秋穂さんの動きを真似して塗ると、メンソールの爽やかな匂いと共に、股間がスーっと涼しくなった。
「効果が現れるのは少し経ってからだと思うから、とりあえず前戯でも始めちゃって」
 俺が塗ったのをしっかりと確認すると頷き、3人のもとへと向かい、一言二言話すと奥の研究室へと入っていった。

「え、ええと……それじゃ、お願いします……」
 予想外の流れから始まった秘め事に俺は少し戸惑っていた。買い物を済ませ、研究所で挨拶をしてすぐ帰るつもりだったのにまさかこんなことになるなんて思いもよらなかった。いや嬉しいけども。
「どうしたんですか?」
「え? あ、ごめん。少し考え事してて」
 不安そうにこちらを見つめていた女性に作り笑いで答える。この子は確か、綾ちゃんだっけ。
「これからセックスすると思うとなんか恥ずかしくて」
 ってちんこモロ出しにしておいて、何言ってるんだって感じだよな。
 ハハハと笑いで誤魔化そうとした俺に彼女は申し訳なさ気に言葉を返した。
「あの、お姉ちゃんとしたんですよね?」
「ん?」
「すみません、うちの姉がご迷惑を」
「あの、お姉ちゃんって?」
「――もしかして秋穂さんから何も聞いてないんですか?」
「う、うん。何も聞いてない……っていうか、こんなつもりでここに来たわけじゃないし」
 なるほど、と頷くと懐かしくも、思い出したくなかった名がその口から発せられた。
「私、倉見綾と申します」
「え…………?」
 それだけしか言葉に出来なかった。脳裏にトラウマが蘇る。
 思い出すとつい最近のような気もするし、もうだいぶ昔の前の事だったような気もする。
 頭を整理しながらゆっくりと言葉にした。
「え、と……倉見、さんの……妹?」
「私も倉見ですけどね。紫亜は私の姉なんです」
 言われてみれば、確かにどことなく雰囲気が似ている。
「お姉ちゃんは残念なことになりましたけど、私は病気なんて持っていないので安心してください」
「あ、うん。倉見さ……あ、いや、紫亜さんは元気でやってるの?」
「お姉ちゃんはセックス依存症ですから、セックスが出来なくなって凄く辛いらしくて……。でも一生懸命、病気を治そうとしてるみたいです」
「な、なるほど、そうなんだ」
「嫌なこと思い出させちゃってごめんなさい」
 俯き加減で暗い表情になっていた俺に泣きそうな顔で頭を下げた。
 確かに紫亜さんには酷い目に遭ったけど、妹の綾ちゃんには何の罪もない。
 気持ちを入れ替えなきゃな。
「大丈夫、気にしてないから。今日はよろしくね」
「……はい、よろしくお願いします」

 コホン、と誰かが咳払いをした。
「話はそれぐらいにして、始めてもらってもいいかな?」
 声がした方を振り返ると、いつの間にか戻ってきていた秋穂さんがメモを取りながらこちらを見ていた。
「そろそろ薬が効いてくる時間はずなんだけどな」
 左手につけていた腕時計の文字盤を持っていたボールペンでコツンと軽く叩いた。

 ――ドクンッ

「んぐっ」
 心臓や脳、肺など体中の至るところを駆け巡っていた血液が、全て股間に集まるような妙な圧迫感が俺を襲った。突然の出来事にガクンッと力が抜け、地面に片膝をつく。
「な、なんだこれ……」
「だ、大丈夫ですかっ!?」
 今まで喋っていた俺の、異変に気づいた綾ちゃんが駆け寄り、肩に触れた。
 瞬間、全身に電気が走った。
「あぁあぁぁっ!」
 全身が性感帯になったような、そんな不思議な感覚に包まれ、思わず後方へ身をよじる。
「どうやら覚醒モードに入ったようだね」
 まるでこの状況を予測していたかのように秋穂さんは冷静に見下ろしながら、ノートに何かを書きなぐっていた。
 時々、こちらを一瞥しているがその顔は無表情。さっき言っていた覚醒の意味もわからない。
「な、んだこれ……」
 体全体もだが、特にペニスなんて少し触れると射精してしまうぐらいに敏感になっていた。
 なんだこれはと思った瞬刻、目の前が一瞬暗くなった。
「え、なんだ?」
 目を凝らしてみると目の前には女のマンコ。
 瞬きをし、もう1度よく見てみるが、そこにあったのは紛れもなく毛の生え揃った女性器だった。
「え、えと……綾ちゃん?」
 一見大人しいように見えた彼女だったが、さすが姉妹と思うほどの豹変、そして淫乱ぶり。
 その行動はまるで彼女の姉、紫亜の様だった。
「愛撫、たっぷりしてくださいね」
 いわゆる顔面騎乗位の体勢になった彼女の恥部からは大量のマン汁が溢れていた。
 俺の顔にその濡れた部分を宛がうと気持ちよさそうに腰を前後に振り始めた。
「う、うお、ちょっ」
 女性器独特のニオイが鼻をくすぐる。
 普段なら不快と感じるそのニオイに何故か興奮し、俺のペニスは石のように硬く、勃起していた。
「んむっ、ちゅ、くちゅ、じゅるっ」
 夢中で濡れそぼった襞を吸ったり、舐めたりしていると、いつの間にか残りの2人が俺の足元で座っていた。
「うわぁ、お兄さんのおっきいねぇ〜」
 目をまん丸にして亀頭の先をツンツンと触りながら葵が言う。
「そうですね、こんな大きいの久しぶりに見ました」
 それに答えるように色っぽい声で早紀さんも側面をぺろぺろと舐めた。
「むむっ! ずるいっすよ、早紀さん!」
 玩具を取り上げられた子供のように頬を膨らませると、葵も逆側からペニスを舐め始める。
 これがいわゆるダブルフェラという奴だろうか。
 別にマゾではないが、この犯されてる感は何ともたまらない気持ちになる。
「ん、んんっ!?」
 2人のフェラ攻撃に悶えていると、葵が触れるか触れないかわからない程のタッチで太ももを擦ってきた。それはまるで産毛を羽根でくすぐられているかのような感触。
「いただきっ」
 ペニスの根元を掴まれたかと思うと、そのまま葵の口の中にすっぽりと咥えこまれた。
「はむぅっ」
 生暖かい唾液まみれの口の中の感触がペニス全体を覆う。
 口を窄めて舌を絡ませると、ズポッズポッと音を立て頭を前後に振った。
「んくぅっっ!」
 精力剤の効果か、あるいは彼女のテクなのか、今まで味わったことのない強烈な刺激がペニスから全身へと伝わり、思わず仰け反る。
「お、おわぁぁあっ、き、きもちぃぃいっ」
 射精してしまったかと思うほどの我慢汁が先端から出てくるのが分かった。
「う、も、もうイ、イっちゃいそ……」
 俺が声を漏らすと咥えていたペニスをポンッという音を立てて吐き出した。
「まだイっちゃだめですよ、我慢してください」
 優しい声で早紀さんが、我慢汁と葵の唾液とまみれになったペニスを綺麗に舐め取る。
「葵さん、お先に失礼しますね」
 そう言うと早紀さんは秘唇にペニスを宛がい、自らの膣内へと導いた。

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