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第十二章:冬の交配


「……これが邪魔だな」
「な、なにをっ!?」
 胸にキツく巻いてあったサラシを剥ぎ取ると、纏さんほどではないが程よい大きさで、綺麗な形をした乳房が露わになった。

「こんなに綺麗なのにサラシを巻くなんてもったいないよ」
「き、綺麗なんかじゃないっ」
 抱きかかえている方の腕でピンク色の可愛い乳首を弄りながら、耳たぶを唇で甘噛みする。
「や、やめ、ぅあぁぁっ」
「雅、可愛いよ。その声も仕草も、何もかも全て」
 甘い声を囁き、わざと息を荒げながら耳に舌を入れ、這わせる。
「ぁ……んはぁ……あぅぁ……」
 抵抗しようとしていた雅の力が抜けていくのが手に取るように分かった。
 唾液があまりつかないように耳を舌で愛撫していく。
「ぁ……ぅあ……や、やめてくれ、こんな……」

「自、分、で、望んだこと、なんだろ?」
 ひとつひとつ言い聞かせるようにハッキリと言葉にする。
「本当に嫌ならやめるけど、俺は君を他の女の子とチェンジさせる事が出来るんだぞ?」
 少し卑怯な手だとは思ったが、バイキングローテーションシステムの事を話題に出した。
「妊娠もせずに、しかも処女のまま家に帰されて困るのは雅だと思うけど?」
 まるで脅すように話すと静かになった。
 言い返してくる様子がないのでそのまま続ける。

「知ってると思うけど、このプログラムは女性を妊娠をさせる為のプログラムだ。
 やがて超少子高齢化が進み、人類が滅亡するのを防ぐ為の、ね。
 だからこのプログラムは絶対に成功させなきゃいけないし、
 雅みたいに“俺が軟弱だから”という理由でセックスを拒むやつが居るのなら
 別の女性にチェンジして妊娠させた方がいいに決まってる」

 そんなような事を言い聞かせた。
 ぶっちゃけそんな大それた事は微塵も思っていないし、実際の俺は“セックス最高!”位にしか思っていない。しかしこういうタイプの人間にはアツい自論をぶちまける説教が一番だろう。
 例えそれが“嘘の持論”でも、だ。それに俺は今、ドSモード覚醒中なのだ。

「それでもいいならやめようか? 俺は雅の為を思って言ってるんだけど」
 裸で説教を垂れる人間が今まで居ただろうか。
 いや居ない。某プロテニスプレイヤーだってこんなアツいことを裸で言ったりはしない。
 しかも抱きかかえながら、愛撫の最中に。

「自分の言葉に責任を持て。お前はここに何をしに来たんだ?」
 この言葉が決定的だった。
 今まで黙っていた雅は震えた声で口を開いた。
「す、すまなかった。な、軟弱者だと言ったこと、許して欲しい」
「そんな風に考えていたとは思わなかったんだ。本当にすまなかった。私を、私を女にしてくれ……」
「分かってくれて嬉しいよ。キツく言ってごめんな」
 よしよし、と頭を撫でる俺は「計画通り……」と言わんばかりに口角が吊り上がっていたことだろう。これぞアメとムチ。

「よし、じゃそうと決まったらコイツを触ってもらおうか……」
 半勃ち状態のペニスを持ってフリフリと振る。
「あ、あの。ずっと思っていたのだが……その股間についている異形のモノは何なのだ?」
「異形て……。もしかして、ペニス見たことないのか?」
 股間に力を入れてピクピクッと動かしてみせる。
「おおぉっ!?」
 びっくりしたのか後ろへ仰け反った。
 可愛いぞ……。なんだこの新鮮な反応は。
「い、生き物……なのか?」
 ためらいながらも手探りで俺の肉棒を掬い上げるように握る。
「そのまま手首を振るように擦ってみて」
 ぎこちない手つきだが、勃起するのには充分だった。
「おおっ! また大きくなったぞ。この、大きいのが私の膣に……」
「大丈夫、大丈夫。優しくするから」
 そう言うと、ムッとした顔になる。
「そんな気遣いは無用だ。男なら思いっきりこいっ!」
 だが初めての怖さからか、少し声色が震えているように思えた。

 恐怖と緊張をほぐす為に優しく頬にキスをした後、軽く唇に触れる。
 今までの愛撫とは違った優しい口づけ。
「ん……んむぅ……んっ……」
 ふふ、可愛いやつめ。
 キスをしながら蜜が滴る秘裂に指を2本入れた。
「あふ……んっ……ぁあっ……」
 あれ? 処女のはずだよな? 痛がる様子もない。
 2本の指を重ねて、膣内をかき回してみる。
「んんっ、あんっ、んっ、んっ」
 これ、すぐ挿れても大丈夫そうだな。
「雅、そろそろ挿れるぞ」
 静かに頷く雅を、抱きかかえていた体勢から優しく寝かせて正常位の形にした。

 処女膣に肉棒を突きたて、ゆっくりと押し込む。
「んっ……んんっ、っ、んむっ……」
「雅、痛くないか?」
「大丈夫だ、問題ない」
 少し顔をしかめたが、そんなに痛くないようだった。
 そういえば日頃から激しい運動をしていると処女膜、つまり膣襞の開口部が開き、裂けることがあるというのを聞いたことがある。恐らく剣道や毎日の運動でいつのまにか処女膜が破れていたのだろう。
「っぁ……んっ、はっ、んんっ……」
 さほど苦労せずに処女孔は見事開通し、血も出ることもなく根元まで飲み込んだ。
「雅、全部入ったぞ。これでもう処女じゃない、立派な女だ」
「そ、そうか。それはありがたい」
「それじゃ動くぞ。痛くなったり、気持ちよかったりしたらちゃんと言ってくれよな」
「わ、分かった」
 簡単に入ったとはいえ、襞が絡みつく圧迫感は何とも言えない。
 緩く腰を引く。
「ぁあっ……なんっ、か、変な感じが、するぞ……」
 俺の言いつけ通りに、感じたことを素直に報告してくる。
 変な感じ、か。そういえばセレンも同じような事、言ってたな。
 初めは皆、変な感じがするものなのだろうか。処女を相手にするのは2人目だ、まだまだ分からないことが多い。
「わかった。続けるぞ」
 乳首をつまみながら円を描くように胸を揉みしだき、緩いストロークで腰を軽く振る。
「あ……ぁ、あっ、あつっ、なんか熱いぞっ……!」
 柔襞がキュッとペニスをまとわりつき、締め付ける。
「そろそろ、いいかな」
 胸から手を離し、緩慢な動きをやめ、緩急をつけて腰を突き出す。

 ――ヌプ、ヌプ、ヌプッッ! ヌプ、ヌプ、ヌプッッ!
「あ……ぁあっ! い、いきなりっ、うぅっ、あ、あ、あぁっ!」
「どう、気持ちいい?」
「やっ、はぅっ、うっ、あひっ」
 訊ねてみるも、言葉になっていない。
 腰を浮かせながら、切羽詰ったような喘ぎを喉元から零している。
「んぁっ、くふ、はぁぁっ、あっ、あぁぁっ」
 気持ちよくさせようと腰を振り続けるが、既に俺自身が限界で今にも爆ぜてしまいそうだった。
「っく……すまん。出すぞ……っ!」
 グイッと思いっきり突き出し、子宮口に向かって射精した。

 ――ビュッ ビュビュッ!
「っはぁ……っはぁ……はぁ……」
「あ、あの…………」
 ハァハァと息を切らす俺に申し訳なさそうにおねだりをしてくる。
「す、すまないが。何かつかめそうなんだ。もう1回お願い、出来るか?」
 確かに早くにイきすぎた。ありえないほどに。初めてのセックスがこれだけというのは可哀想だな。
「分かった。それじゃあ、体位を変えるぞ」
「体位? 姿勢を変えるということか? 承知した」
 お互いの性器を繋げたあったまま、雅の左足を持って身体を横に向かせた。
 側位……というより四十八手でいうところの“浮き橋”の体勢になる。
「お、おぉ……なんだこの格好は……私はこのままでいいのか?」
「うん。そのままでいい。またすぐ体位変えるから」
 この体位は結構難しいと聞く。果たして俺に上手く出来るだろうか。
 両手で腰を挟み、円軌道を描きながら腰を振る。
「はっ、あ、んっ、んっ」
 腰を振る度、2人の身体が前後に揺れる。
 円運動を止め、ゴリゴリと膣内を掻き乱すような腰使いをさせる。
「んぐっ、うっ、あぅっ、あっ、あっ」
 深い挿入感と大きな摩擦力。
(これじゃ、またすぐに俺がイってしまう……)

「雅、また体位変えるぞ」
 横にしていた雅の身体を伏せるように回転させた。
 四つん這いの状態から上半身だけをつぶさせ、お尻を高く上げた形。
 そうバックはバックでも、うつ伏せ後背位。
 屈辱的、そう言いたげな表情でこっちを見た。
「この、体位は……なんか犬みたいで嫌、だな……」
 まぁ、一部の英語圏では“Doggy style”なんて呼ばれてるらしいし、分からないでもない。
「すぐ慣れるさ。それに纏さんだってこの体位で気持ちよくなったんだ」
「姉上が……そうか、分かった。この格好は我慢しよう」
 纏さんの事を話すと途端に素直になった。
 頷き、上から丸みを帯びた滑らかな曲線美を見下ろす。
「こうして上から見ると本当に美しい身体だな」
「よ、よせ。そんな褒めても……」
「お世辞なんかじゃない。綺麗だよ」
 肩と背中にかけての緩やかなカーブ、くびれたウェスト。
 どれをとっても纏さんに引けを取らない美しさだ。
 背中のラインを指でスッとなぞるとピクッと可愛く反応をした。
 次は指の代わりにツーっと舌を這わせ、背中を舐める。
「ぅ、あふっ」
 尻を抱えるようにして、逆の手で淫豆をクリクリと弄った。
 しかし腰は動かさずに挿れたままにする。
「あんんっ、あっ、ん、んんっ」
 俺の事だ、動くとまたすぐにイってしまうだろう。さっきの二の舞になる。
 なるべく愛撫をして雅の興奮を高めてから動かそう。
 背中にピタリとくっつき、乳房を柔らかに揉みしだいていく。
「雅、気持ちいいか?」
「うはぁっ、あうっ、うっ、うっ」
 まるで精液を求めてくるように膣襞がキュゥと締まり、引き込むような動きをする。

 もうそろそろいい頃合だろうか。
 ペニスをぬるぅっとカリの部分まで引き出し、ドンッ! と勢いをつけて押し込んだ。
「あうぅっ!」
 びくぅっ、と腰が震え、胸もたゆんたゆんと揺れる。
 ――パーン、パーン、パンッ!
「ふぅぁっ、あふっ、あふ、あうっ」
 純潔を失ったばかりの膣に勢いよく腰を打ち付けるが、喘ぎに痛みを感じている声は混じっていない。
「あんっ、んっ、これがっ、気持ちいいというっ、感覚なの、だなっ」
 ――クチュンッ、クチュンッ、クチュンッ
 うっすらを汗をかく白い肢体に手を置き、遠慮なく腰を振った。
「雅? どうだ、気持ちよくなってきただろう?」
「あぁっ、気持ちいいっ、気持ちいいぞっ、んっ、んっ」
 腰を突き入れる度に、長く美しい黒髪がふぁさふぁさと乱れ、喘ぐ。
「あっ、ああぁっ……頭がっ、うぅっ、ふわふわ、と、するっ、ぞっ」
 長い間、ローターを入れていた上にさらに愛撫。そのおかげか雅の身体もかなり敏感に育っていた。
 密着状態に前後の激しいピストン運動、その快楽にその身を打ち震わせて、やがて絶頂を迎える。
「あんっ、あんっ、あ、あぁああっ! へ、変だ、なんか、う、うっ、うぅっ」
「我慢しないでっ、声を出すんだっ、俺も、俺もイくぞっ」
「わ、わかっ、あ、あうあう、あうっ! ぐ、ぐぅぅっ、あ、あうぅぁぁああっ!!」
 強く背筋を伸ばした雅の尻をグッと引き寄せ、奥に入り込むようにたっぷりと射精した。
「あぐぅぅっ!」

 ――ドビュビュッ! ビュッ!

「っくはぁ……はぁ……さすがの俺も疲れた。雅、大丈夫か?」
 膣からペニスを抜き、雅に声を掛ける。
「あくぅっ……へ、平気だ……ぶ、武士だから……な」
 はぁはぁと息を切らしながらも強気な態度で応対してくる。
「さすがだよ、雅」
 しかし……本日何回目の射精か忘れたが、射精の間隔がどんどん早くなっている気がする。
 それに精液の出も悪かった。これは休憩が必要だな。
 立ち上がろうとすると少しクラッと眩暈がした。

「お、おおっ?!」
 ヤニクラならぬ、オナクラ……いや、セククラか。
 額を押さえて、正気を保とうとする俺に雅が向き合い、頭を下げた。
「ありがとう、お前のおかげで女になれた。感謝する」
 相変わらず名前で呼んでくれないが、“貴様”から“お前”になっただけでも進歩か。
「いや、礼には及ばないよ。それと、ちょっと疲れたから寝る……」
「お、おう。そうか、分かった」
「雅も勝手にベッド使うなりなんなりしていいからさ、それじゃ……」
 意識が遠退くのが分かった。さすがに無理をしすぎた。

 俺はその場に倒れ込むようにして眠った。

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