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第十二章:冬の交配


「ねーえ? 君はどういうえっちするのかな? おねーさん濡れちゃうなぁ」
 白衣の中に手を入れると、スルっと下着を脱いだ。
 無駄撃ちはダメ。膣内で出しなさい。と怒られた俺は、流されるまま纏さんとセックスをすることになった。だけど、なんだかんだでこの流れに感謝していたりする。
 そう、俺が彼女を指名した理由は顔が思いっきりタイプだったから、彼女とセックスしたい! という思いが一番にあった。しかし、もう童貞じゃないとはいっても勇気が出ずに誘えなかったんだ。
 だからこの状況は願ったり叶ったりな訳で。

「あんまりテクはないですが、一生懸命頑張らせていただきます!」
 指で根元を締められるという予想外の出来事に驚いたがさっき苦痛だった分、次は気持ちよく纏さんのナカでぶちまけられそうだ。早く精液を出したくて股間が疼いた。
 硬直したペニスがぴくぴくとわずかに痙攣する。
「その意気だ少年。でもまずは、お姉さんを楽しませてね?」
 そう言うと、あぐらをかく俺の首に腕を回し、上に跨るようにして向かい合わせに腰を落とした。
「っ……あはぁっ……」
 ヒダヒダが亀頭に絡みつき、ヌルッとした感触と共にペニスが、深い挿入感と熱いヌメリに浸っていく。

「んぁっ……纏さんのナカ、グチョグチョですね……」
「君っ……の、ちんちんも……おっきくて硬くて、気持ちいいよ……」
 纏さんが腰を動かすと既に濡れていた膣からクチュックチュッと淫音が聞こえてくる。
 後ろ手に身体を支えていた両手を片手に切り替え、もう片方で、ゆらゆらと動く纏さんの腰を支えた。無防備に目の前で揺れる柔らかな塊に顔を近づける。
 下から吸いつくすように舌で乳首を舐めあげるとピクンと震え、声を漏らした。
「っあん……」
「ここ、気持ちいいですか?」
「うん……。それにココ、見てみて。すっごく絡み付いてる」
 彼女が指差した結合部からは透明色の水飴のような液体が肉棒を伝って垂れていた。
 俺のペニスで気持ちよくなっていく彼女を見て興奮が一気に高まる。
「ま、纏さんっ! 纏さんのナカ気持ちいいですっ!」
 唇を重ねると、お互いの舌が絡みつき、ねっとりと深い口付けが交わされる。
 それに大人の女性特有の匂いだろうか、汗と愛液の混じった匂いが、ほのかに香る。
「ん……ちゅ、んぅ……ちゅ……」
「ん、ふ、ちゅ……んっ、ちゅ……はむ……」

 あぁ、やばい。もう出そうだ。
 でも……されるがままじゃなくて纏さんを、この年上の女性を、攻めてみたい。
 纏さんの背に両腕を回し、押し倒すように床に縺れ込み、いわゆる正常位の形になった。
 荒い息を整えながら、両手を床につくと目が合った纏さんが、やや挑発的な口調で言う。
「なかなか強引じゃないの。そういうの、結構、好きよ。それで、この後どうしてくれるの?」
 何回もセックスはしてきたが、今まで女性に主導権を握られてばっかりで、正常位でセックスをするのは実は初めてだったりする。倉見さんの時なんて失敗したし。
 ゆっくりと入り口を擦るように腰を振り、5回に1回くらいの確率で思いっきり突き上げる。
 ぬるぅぅうううっ、ずぶぅぅうううっ、ぬるぅぅううう……っと浅く突いたり、深く突いたりを繰り返す。徐々に纏さんも情愛に潤んだ瞳で頬を上気させていく。
「う……あっ! んっ、あ……ッ」
 ここぞとばかりに、膣内を掻き回すようにいやらしい音をさせ、抽送を加速させる。
「や……っ! そこ、いィっ! ん……ッ」
 肉棒の一突き、一突きに応えるように悦楽の声をあげ続ける。
 両腕を伸ばし、腕立て伏せのような形で腰を振りながら、うなじの辺りに優しくキスをした。
「はぁっ、纏さんっ……ちゅ、んちゅ、っはぁ……」
「んン……っ、はぁっ、キス……うまいんだね……っ」
「あァッ! っぁぁあぅ、ま、纏さん……ッ!」
 興奮が最高潮に達し、強烈な射精感が沸き起こった。
「で……出ますッ! 纏さんのナカに出しますッ! っくあっ」

 そして次の瞬間、射精……!
 ではなく、開くはずのない扉が開かれた。

 ――ガチャン!
「あ……あの、さ、さ、さっきはッ! さっきは、すまなかったッ!」
 胸にサラシを巻いた顔を真っ赤した女が頭を下げた。
 その女を上目遣いに見ながら、勢いを失った大量のザーメンがびゅるっ、びゅるっ、と膣道に流れ込んでいく。
「ど、どうしてこのタイミングで……?」
 そう言わざるを得なかった。突然の乱入に驚き、意識せず果ててしまった。
 しかもセックスの相手とは別の人間の顔を見て射精する、これほど最悪なことはない。
 呆然としながらズルっとペニスを抜き取った。

「さっきは本当にすまないことをした。姉上、そして貴様も……」
 右手には日本酒の一升瓶、左手には可愛いファンシーなお皿を持ち、その上には湯気の立った美味しそうな料理が乗っていた。
 頭を上げた木刀女は申し訳なさそうに纏さんの方を見たあと、ちらりと俺の方も見た。
「こ、これはお詫びの品だ……受け取って欲しい」
「お。雅〜、あたしの好きな酒を持ってくるとは気が利くじゃない。よし、さっきのことを許してやろう!」
 起き上がった纏さんが差し出された日本酒を受け取る。
 酒で許しちゃう纏さんにシビれる、憧れるゥ!
「貴様にはコレを……」
「お、美味しそうですね。グラタン、ですか?」
 俺の反応が嬉しかったのかパァっと明るい顔になった木刀女は、思いのほか可愛かった。
「きのことチーズのグラタンだ。心を込めて作った。是非、食べて欲しい」
 纏さんが許すのならそれでいい。なによりちょうど小腹が空いていた、ありがたい。
 香ばしい香りを放つホカホカのグラタンをスプーンで口に運んだ。

「ぱくっ」
 突如、口の中で溢れ出す強烈で、混沌とした風味が鼻腔に広がる。
(うぐ……っ!)
 喉の奥から嗚咽が込み上げ、慌てて口を押さえた。
(ま、まずい……何を入れたらこんな味が出せるんだ)
 手を強く押さえつけ悶える俺に目をキラキラと輝かせながら感想を求めてくる。
「ど、どうだ。美味いか?」
 助けを求めようと纏さんの方を見るが、我感せずと言わんばかりに1人、酒を呑んでいた。
 必死に飲み込み、なるべく傷つけないように答える。
「か、変わった味ですね……。み、雅……さん? あのこれ、なに入れました?」
「色んなものを入れたぞ! ニンニクに鰯、らっきょう、あとレバーも入れたな。隠し味にマムシドリンクも入れたぞ!」
 えっへん、と腰に手をあて誇らしげに胸を張る彼女に少しだけ殺意が湧いた。殺す気か。
「なぜ、そんなに色んなモノを……」
「そ、それはもちろん元気になってもらう為だ」
 視線を落とし、顔を真っ赤に染めながら俺の股間部分を見つめた。
 元気ってそっちの元気か! 確かに精力回復に役立つ材料ばっかりだけども、出来るなら単体で食べたかった。

「あ、あの……その、つ、つまりだな……」
 しどろもどろになっている木刀女に酒をしっぽり呑んでいた纏さんが口を開く。
「ねぇ、良かったら……雅もセックスに混ざらない?」
 ってちょ。え? な、なにいってるんですか纏さん、木刀女が混ざるわけ――。
「よ、よろしいのですか? かっ、かたじけない……」
 するするっと赤い袴を脱ぎ捨てた。

 ちょ、ちょっと待てよ。これっていわゆる……姉妹丼ってやつなのか?


「それでは失礼して……」
 サラシと下着姿になった木刀女はショーツも脱ぎ捨て床に座った。
 黒髪の女性が裸で正座をしているその光景は異様だった。
 纏さんが呑んでいた日本酒を片手で持ち上げると、ぴったりと脚を閉じて出来た三角地帯にトクトクと注ぎ、こちらに目を向ける。
「さぁ、グイッと飲んでくれ。グイッと」

「え? ちょ、え? なんですかこれ」
「これはだな、俗に言うワカメ酒というヤツだ。ワカメには性機能を回復させる効果があると聞く。ささ、飲んで元気になってくれ」
「ワカメはワカメでも、それ女性の股間に生えてるワカメじゃないですか!」
 説明口調でツッコミをする俺に、無邪気な子供のような表情でしきりに首をひねっていた。
 木刀女――雅は極度の近眼に加えて、天然でもあるのか。侮れないやつだ。

「うむむ……しかしもったいないし、飲んでくれると助かるのだが」
 確かにもったいない。仕方ない、貴重な経験だと思って飲んでみるか。
 向き合うように正座をして逆三角形を覗くと、髪と同じくサラサラな真っ黒な恥毛が酒の中でゆらゆらと靡いていた。前傾姿勢でそっと口をつけ、ズズッと音を立てて吸い上げる。
「ん……この酒、おいしいな」
 口当たりはまろやかで、ほんのりとした甘みがあった。
 舌を伸ばしてチロチロと動かすと淫毛近くの恥裂に触れた。
「うン…………っ!」
 雅の太もも辺りがピクリと反応する。
「ん、ほら、全部、飲み干したぞ」
 上体を起こして雅を見ると、先ほどの顔の赤みとはまた違った感じの火照った顔をしていた。

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