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第十一章:ムラムラ


 決戦の時、敵は菊穴大名の不浄門なり! いざ、尋常に勝負ッ!
 極限にエレクトした肉棒を双臀の谷間に――

「あっ、ちょっと……待ってください」
 出鼻を挫かれた。
 彼女は思い出したように声を上げ、うつ伏せのまま鞄を開けてゴソゴソと何かを探し始めた。ずっと思っていたのだがその鞄、エログッズ入れなのか?
 俺にはどっからどうみても学校指定の学生カバンにしか見えない。
 探しものが見つかったのか振り返った彼女の手には、卑猥な形の物体が握られていた。
「さっきオナニーしてたので、もう充分ほぐれてるとは思うのですが……一応、これでほぐしてくれると嬉しいです」
 肉棒の形に型どられたソレはまるで女性の履くピンヒールのように先が尖っていた。

「あの、睦月ちゃん、それは?」
「ちょっと変わったカタチですが、アナルバイブです」
“ヤリイカ息子”と書かれたバイブを恐る恐る握ってみると、表面のイボイボが妙に柔らかい。まるで荷物を梱包する時に使われるプチプチのようだった。
 いつもこんな大きいの挿れてるのか? 俺のじゃ満足しないんじゃなイカ?

「指でもいいんですけど、お兄さん指入れるの抵抗あると思いますし……それにこれ先が尖ってるから挿れやすいんですよ」
 これからペニスを挿れるのに指なんかで躊躇していられない。
 でも確かに指入れて万が一にもウンコがついたら萎えそうだし、これはこれで便利かな。便だけに。
「それじゃ、お兄さんお願いします……」
「では気を取り直しまして……」
 右手に持ったバイブにまんべんなくローションを塗りつけ、無防備な桃尻の谷間に片手のひらを、ぎゅっと押し付け親指と人差し指で開いた。
「んっ……」
 バイブを先っちょから挿入するとしなやかな太腿がピクッと震え、ぐにっという音と共にバイブが菊門に飲み込まれていく。アナルセックスを勧めてくるだけあってグイグイ入る。
 ある程度入れたところで手元のスイッチを上に押し上げた。

 ――ヴッヴッヴィィィィ……

 カチッという音と共に淫猥な音を立て、震えるバイブの振動が手に伝わった。
「あ……あぅ……もっと……」
 もっと? ふと手元を見るとスイッチの横に“中”と書かれていた。
 そうか、これ強弱がつけられるのか。スイッチの段階を最大に上げた。

 ――ヴィヴィヴィヴィヴィ……

 音にあまり変化はなかったが“ナカ”はだいぶ違ったようだ。
 先ほどまで緩やかに喘いでいた彼女は手を唇に宛がって指を噛んでいた。
「あ、んぅ、あふふぅっ……んぁっ……」
 前立腺がない女でもアナルで快楽を得られるものなのか? 表情は見えないがバイブがうねる度に身をよじらせる彼女に尋ねた。
「睦月ちゃん、気持ちいい?」
「あ……は……はひっ……き、きもひぃ……でしゅ」
 言葉にならないほど気持ちいいらしい。こうなったら、とことん気持ちよくしてやるか。
 ぶるぶると震える淫具をぱっくりと飲み込んでいる菊穴の真下の穴へと視線を下げた。
「挿れなければいいんだよな……」
 左の人差し指で秘唇を撫でると熱い液がねっとりと指に絡み付いた。
「あっ……んっ……そこはダ、メ……です……んっ」
「大丈夫、大丈夫、入れるわけじゃないから」
 淫具を右手でゴリゴリと押し付けながら左手で恥裂を責め続けた。
 わざとぴちゃぴちゃと音を立て、愛撫、愛撫、愛撫。

「いれ……いれて……くださいっ」
「ん? どこに何が欲しいの?」
 菊穴と膣穴の両方から責めたてられ喘ぎ悶える彼女に、意地悪く言葉責めをすると嫌がる様子もなく、嬉し恥ずかしそうに猥語を口にした。
「あ、あなる……に、おちんちん……くだ……ください……」
 その言葉を待っていたといわんばかりに咥えこんでいたバイブを一気に抜き取るとビクンッと大きく身体が弓なりに反れた。
「んぁッ!」
「よーし! お兄ちゃん、おちんちん入れちゃうぞー」
 そそり勃った肉棒を尻穴へと突きたてると、今までバイブが入っていたおかげか、すんなりと中に入った。しかし人差し指の第二間接分ほどまで入れた辺りで、肉棒がキュッと締め付けられ思わず声が漏れる。
「おぉッ!? な、睦月ちゃんまだ全部挿れてなイッ!?」
 待っていたのは俺だけではなかった。
 肉棒をキツく締め付けた彼女はむっちりとした尻肉をこちら側に突き出したり引っ込ませたりして、自ら腰を揺らした。
「あ、あなるは……んっ……おまんこと違って、締め付ける場所……っが、一箇所しか……ないので……んはぁ……これより先っ……は、挿れても、仕方ない……んです」
 甘く色っぽい吐息を漏らしながら教えてくれた。
 可愛い。可愛いぞ、睦月ちゃん。

「んッ、んッ、んッ、あッ、あッ」
 少女のよがり声に感化され、支配欲にも似た気持ちが駆り立てられた。下半身全体が疼きだし、負けじと俺も彼女の動きに合わせ腰を動かす。
「んぁっ、ぁっ、ぁっ」
 パンッパンッと打ちつける度に乳がゆさゆさと揺れ、吐息と喘ぎが荒くなってきた。もう彼女には緊張の“き”の字も見当たらなかった。ただ感情の赴くままに快楽に浸っていた。

「はぁっ、あぁッ、あんッ、あんッ!」
「んくっ、睦月ちゃんッ、気持ちいい? 気持ちいいかい?」
「は……っ、はいっ……き、気持ちいいですっ……お、お兄さんは?」
「俺もッ! 俺も気持ちいいよっ! というかイきそッ!」
「わ、私っも、イきそうっ、ですっ……一緒にっ、イきましょうッ!」

「はぁぁっ、い、イっちゃう! お兄さんのおちんちんでイっちゃう! んぁぁぁぁッッッ!」
 その瞬間、締め付けが増し、肉棒に強烈な圧迫感が襲った。
「んぐぅっ! 俺も出るッ!」

 ――ドビュッッッッ! ドクッ! ドクッ! ドクッ!
凄まじい勢いで少女の直腸奥めがけて射精した。

「はっ……はぁ……はぁ……」
「ん、んはぁ……はぁっ……はぁっ」

 しばらく繋がったまま、2人で途切れ途切れに息を切らしていた。
 女子高生のお尻を犯すという背徳感や罪悪感でいつもより興奮し、かつて経験したことのない不思議な快楽を感じた。
 精液でべとべとになった肉棒をヌルッと抜くと、彼女が振り返り、トロンとした表情で軽く会釈をした。だらしなく開いた口からは唾液が垂れていた。
「お兄さん、すっごく……気持ちよかったです」
「俺も気持ちよかったよ、ありがとう」

 本当に気持ちよくなってくれたみたいでよかった。そういえばこの子、俺のことが好きなんだよな? 俺のことオカズに自慰してるみたいな事言ってたし、それとなく聞いてみるか。

「睦月ちゃん。睦月ちゃんはさ、俺のことをオカズにしてるんだよね?」
「はい、そうです」
「妄想だけでオナニーしてるの?」
「あ、いえ、実は妄想だけじゃなくて――」
 耳に片方だけ付けていたイヤホンを外し、四角い小さな機器をこちらへと差し出した。
 音楽プレイヤー? ずっと音楽でも聴いていたのか?

「私、妄想に加えて催眠オナニーもしてるんです」
「催眠……オナニー?」
 聞いたことのない言葉だ。ただの妄想オナニーとは違うのか?

「催眠オナニーっていうのは、その名の通り、催眠術によって快感を得るオナニーのことで、エッチな音声を聞きながら妄想してオナニーすることです」
「へぇ〜! 今、そんなの出てるんだ」
「はい。お兄さんのこと、妄想するときはこの催眠CDを使うんです」
 恥ずかしげに彼女が両手で差し出してきたCDジャケットを受け取ると“漢女の薔薇生活・催眠CD”と書かれていた。
 漢女という漢字の上にはカタカナで《オトメ》とルビが振ってある。

「あの……睦月ちゃん、一応聞くけど……これなに?」

「はい、催眠オナニー用CDのBL版です!」

 BL版です、びーえる版です、びーえる、びーえる……
 彼女の言葉が脳内で山びこのように、こだました。
 パッケージを裏返しにしてみるとボーイズラブドラマCDと記されていた。

 この子、俺のことをそんな目で見ていたのか。
 というか俺とセックスしてる最中、これを聴いて感じていたのか?

 俺は驚きのあまり開いた口が塞がらなかったが、彼女はあどけない表情で無邪気に微笑んでいた。睦月ちゃん、恐るべし。

 やっぱりこの子、変態だー!

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